加古川の商工業の歴史

昭和20年代(戦後混乱期)
加古川商工会議所創立前夜

 

 大正13年8月11日に竣工した加古川橋
▲大正13年8月11日に竣工した加古川橋
 ▼旧街道宿場町の寺家町通り
旧街道宿場町の寺家町通り

  加古川町における実業団体の発生は、明治31年にさかのぼることができる。
この年の3月1日、営業税が新設されたのを契機に呉服業者9名と他業者5名とで「九五会」を組織、営業の発展を計る一方、同業者の摩擦を避け、進んで先進地の商業を視察し誓文拂い等、各種売り出しを実行するなど成果をあげた。この「九五会」が加古川町における実業団体の最初である。

 その後、全町の実業家が一致協力して加古川町商業の平和発展を計る目的で明治40年1月1日、加古川町実業協会が創立された。
そして経済的関係の深い日本毛織株式会社と相互の協調につとめ、店舗装飾競技会を開催し、酒類品評会など各種の会に協賛するなど尽力することが多かった。

昭和3年には専任理事、専任書記を任命し、実業協会としてその地位を確立した。
事業としては、加古川名産の推奨、店舗と商品陳列の改善の奨励、福引景品付大売出し、納税相談所の開設、各地への実地視察、盆前の福引景品付大売出し、地方工産品展覧会の開催などである。

昭和8年には加古川町商工会と改称し、従来の事業を一層組織的に展開、昭和10年には河川改修竣工を記念するために「河祭」を催し、河川によって利益と発展を得た加古川町の喜びを披露した。

しかしその後満州事変が起り、それが第二次世界大戦に入るに及んで、商工会の事業は次第に制限させられ、昭和15年には統制価格表の頒布、配給品の個人商人に対する斡旋などを行わざるを得なくなり、昭和18年には軍都加古川の色彩さえ生ずるにいたり、事業は殆ど何も出来なくなって終戦を迎えた。

戦後、社会情勢が落ちつき商工業が再び振興してくるに及び、各商工業者の現実の声を代弁する商工業団体の再編が望まれる状況に至った。そこで地元経済界の重鎮であり指導者でもあった大橋實次日本運送株式会社社長(当時)らの奔走により昭和27年3月5日加古川市公会堂において加古川商工会議所創立総会が開かれた。
その総会において、初代会頭に大橋實次氏、副会頭に三宅虎雄、多木衛三、稲岡四郎各氏を選任。専務理事に長谷川梅次氏が就任した。

5月31日、時の通商産業大臣高橋龍太郎氏より商工会議所としての認可をうけ、翌月より事務所を加古川市加古川町篠原町34の8、日本運送株式会社の2階に開設して業務を開始した。初年度の予算額231万円(9ヵ月分)会員数491名でのスタートであった。

 

 当時の諸状況として昭和26年9月、サンフランシスコにおいて調印された平和条約が翌27年4月に発効。

わが国は、ここに主権を回復し国際民主社会の一員に復帰することになる。終戦後の混迷以来、新しい進路を探究してきた商工会議所制度も、内外情勢をにらみ、根本的な再検討を加えなければならない時機が到来していた。
基本的にわが国の商工会議所は、明治の創設当初は英米系統の任意組織で出発したが、時運の要請もあり、明治23年の商業会議所条例の制定以来、商業会議所法、商工会議所法の3法の下に、地域産業経済の改善発達を図るため、地域総合経済団体としての公法人的性格を与えられ、その法規も次第に整備強化されてきた。

しかし戦後の占領行政下においては、なんらの特別法も制定されず、単なる民法上の社団法人としての地位しか認められなかった。昭和25年に商工会議所法が制定されたが、それは商工会議所の名称使用、基準および原則等を僅か8条で示したのみであり、また事業者団体法等の規制により、その事業も十分に実施できなかった。
加古川商工会議所創立前夜の空気も会議所の本質と使命に適合した商工会議所法を制定し、その特性を発揮させ、またその事業を十分に実施させて、国民経済の健全な発展に寄与することができる基礎を造る必要が濃密に支配していた時機であった。
このような世論の台頭により加古川商工会議所創立の2ヵ月後、昭和27年5月の日本商工会議所総会において「商工会議所法改正促進に関する要望」が採択され、国会及び政府に提出されるにいたった。
その後、国会、政府において種々研究が続けられ、紆余曲折のあと、昭和28年7月、第16国会において各党共同の議員提案として提案され、衆参両院において全員の賛成をもって通過し、同年8月1日、法律143号をもって現行商工会議所法が公布、同年10月1日から施行されるにいたった。

 加古川商工会議所もそれをうけ翌年、昭和29年4月、臨時議員総会を開催、この法律による組織変更に関する一切の手続を完了させ、同年5月14日通商産業大臣より組織変更認可申請が許可され、特殊法人加古川商工会議所として再出発した。
この年、創立2周年記念事業として「加古川地域の商工名鑑」を刊行、全国の商工会議所へも配布した。

 

全国で○○川という名の市の数は?

1.旭 川(北海道) 10.市 川(千 葉) 19.加古川(兵庫)
2.滝 川(北海道)  11.鴨 川(千 葉) 20.田 川(福 岡)
3.砂 川(北海道) 12.立 川(東 京) 21.柳 川(福 岡)
4.深 川(北海道) 13.糸魚川(新 潟) 22.大 川(福 岡)
5.古 川(宮 城)  14.滑 川(富 山) 23.石 川(沖 縄)
6.須賀川(福 島) 15.中津川(岐 阜) 24.具志川(沖 縄)
7.渋 川(群 馬) 16.掛 川(静 岡)  
8.桶 川(埼 玉) 17.豊 川(愛 知)  
9.吉 川(埼 玉) 18.寝屋川(大 阪)